株式投資のIdea Box

筆者の実体験をもとに株式投資の考え方や切り口について紹介・考察していくブログです。

出来高とは?実は大事な出来高の性質や重要性を解説

この記事では重要な指標の1つである出来高について解説します。

皆さんは出来高という指標をご存知でしょうか?
「知ってはいるけど使ってない」「他の指標を表示したいので邪魔だから消した」
という人も多いかと思います。

 ここではそんな出来高について使用するメリットやその重要性について説明します。

こんな人におすすめ

・上昇トレンドに乗ろうとしても上手くいかない

・売買タイミングが上手く掴めない

 皆さんはこんな経験はありませんか?

・テクニカル分析で買いサインが出たので買ったら、そのまま暴落した・・・

・ファンダメンタル分析で買ったはいいが、株価が上がらない・・・

上記の悩みは最もメジャーな投資手法であるテクニカル分析やファンダメンタル分析を行う上で避けて通れないものかと思います。筆者もよく悩んでいました。 

しかし出来高を投資判断に活用することでこれらの悩みを改善できることがあります。

筆者が投資判断を下す際には必ず確認する超重要な指標です。

 

 

 


出来高とは

出来高は相場を分析するための指標の1つであり、オシレーター系に分類されることもあります。オシレーター系の指標とは相場の過熱感を示す指標のことです。

出来高が示すのは売買された株式の量です。特定の時間(月足・週足・日足など)で区切った時にその時間帯でどの程度取引があったか、その量を示したものが出来高です。

これだけではたくさん買われた、あまり買われていない程度のことしかわかりませんが、ローソク足や他のテクニカル分析と組み合わせることで大きな威力を発揮します。

下のチャートは7090 リグアという銘柄の日足チャートです。大きな出来高を伴って陽線が発生した日を境に上昇しているのがわかります。また左4つの出来高の部分は緩やかな上昇ですが、これまでで最大の5つ目の出来高が発生してから急上昇しています。加えて重要なのが、(図が小さくてわかりにくいですが)大きな出来高を伴った陽線の価格を割らないように推移しているということです。

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出典:TradingView.com

ここから出来高の特徴として以下のような点を挙げることができます。

ここがポイント

・大きな出来高が発生した日足の方向へ相場が動きやすい(陽線なら上昇)

・出来高が大きければ、上昇も大きくなりやすい

・出来高の多い価格帯はサポートラインになりやすい

 勿論、上記は傾向であって例外もありますが、投資判断を行う上で非常に重要な要素となります。例えば大きな出来高を伴って陽線が出現すればこれから上昇すると予測して買いを入れることができますし、サポートラインの価格帯が予測できれば損切の見極めもしやすくなります。

次の章ではこのような出来高の特徴を活用するとどのようなメリットがあるのか解説していきます。


出来高の強み

出来高の強みは様々な投資手法と組み合わせることで大きな効果を発揮します。

ここでは個別銘柄への投資手法として最もメジャーだと思われるファンダメタル分析、テクニカル分析、テクノファンダメンタル分析との組み合わせについて紹介します。

以下の表をご覧ください。

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これは筆者が実際に上記の投資手法を試して、感じたそれぞれのメリット・デメリットをまとめたものです。実際に上記の投資手法を実践されているみなさんも大なり小なり同じような感想ではないでしょうか?

出来高を分析に取り入れることでこれらの投資手法におけるデメリットを補うことができます。先ほどの出来高の特徴をおさらいします。

出来高の特徴

・大きな出来高が発生した日足の方向へ相場が動きやすい(陽線なら上昇)

・出来高が大きければ、上昇も大きくなりやすい

・出来高の多い価格帯はサポートラインになりやすい

 これらの特徴を利用すればそれぞれのデメリットを以下のような形で補えます。

ファンダメンタル分析の場合

いつ上昇相場が始まるかわからないというデメリットに対して、大きな出来高を伴った陽線が出現すれば、上昇する傾向が高いという特徴を活用することで、待つことなく上昇相場に乗ることができます。当然、利益を頭から尻尾まで取ることはできませんが、その分投資の回転が良くなるので多くの銘柄に投資することができます。

例えば筆者は以下のような活用の仕方をしています。

・ファンダメンタルの良い銘柄をリスト化して監視しておいて、好決算などで出来高が
 増加したところを確認してから購入する

テクニカル分析の場合

買いサイン、売りサインを利用されて売らされたり買わされたりすることがあるというデメリットに対して、サインと出来高を同時に見ることでこれらのダマシをある程度は見破ることができます。例えばテクニカル分析の買いサインの1つに高値ブレイクがあります。これは直近の高値を更新した銘柄は買いという基準ですが、多くは急騰して更新します。しかし急騰した銘柄の中にはそのまま数日で急落するものも少なくありません。そういった銘柄に共通しているのが急騰した日はあまり出来高がないということです。なぜ出来高が少ないと急落する可能性が高いのかは「3.出来高の重要性」で説明しますが、出来高を活用することでダマシを回避できる可能性が高まり、テクニカル分析におけるパフォーマンスを改善することができます。

例えば筆者は以下のような活用の仕方をしています。

・移動平均線を割った際に出来高が少ないことを確認し、損切りせずにホールドする。

・高値更新をしても出来高が少なければ買わない

テクノファンダメンタル分析の場合

テクニカル分析の場合と同様、ダマシに引っかかりにくくなることがメリットです。そもそもダマシに引っかからないためのテクノファンダメンタル分析ではないのか?という疑問を抱く方もいると思います。買いが買いを呼び、経済の見通しも明るかったアベノミクス相場ではチャートに企業の成長性が紐づいており、効果的に機能していました。しかしテクノファンダメンタル分析の代表格である新高値投資を例にとると新高値を取った直後に急落するケースも最近では散見され、新高値だからと言っても安心して買えなくなっています。したがってテクノファンダメンタル分析に出来高の切り口を加えることで成功率を高められる可能性があります。

出来高の弱み

ここまでいいこと尽くめの出来高でしたが弱点はあります。それは投資判断が一歩遅れることです。例えば日足にしても週足にしてもそれぞれの足ごとに連続性がないため、前の足の出来高を見て次の足の出来高が予測できません。

これがファンダメンタル分析であれば、4半期の決算やKPIから今後の業績を予測できるでしょう。テクニカル分析であれば移動平均線やボリンジャーバンドの位置から株価の振れ幅をある程度まで予知できます。しかし出来高は前の足の出来高が多かったからと言って次の足の出来高が多いか少ないかは予測できません。

したがって出来高は時間軸を長くとり、節目での投資判断に使うなど工夫が必要になります。筆者の場合は週足を見るときは日足、日足を見るときは分足といったように下位の足を見ることで、上位の足の出来高の方向性を予想しています。

出来高の重要性

ここまで出来高の性質やメリットについてお話ししましたが、使わないのが損なぐらい良いことづくめではないでしょうか?これには理由があります。

 

出来高は単純

出来高は取引量をダイレクトに表しているものなので、非常に単純です。

単純であるということは、様々な思惑が飛び交う株式市場においてちょっとした変数に左右されにくい、という大きなメリットとなります。

例えば一目均衡表というテクニカル指標があります。

下の図のようなものです。

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出典:TradingView.com

投資判断に使用されている人もいると思いますが、計算式は以下の通りです。

一目均衡表の計算式
  1. 基準線=(当日を含めた過去26日間の最高値+最安値)÷2
  2. 転換線=(当日を含めた過去9日間の最高値+最安値)÷2
  3. 先行スパン1={(転換値+基準値)÷2}を26日先行させて表示。
  4. 先行スパン2={(当日を含めた過去52日間の最高値+最安値)÷2}を26日先行させて表示。
  5. 遅行スパン= 当日の終値を26日遅行させて表示。

非常に複雑ですね。これでは最安値か最高値のどちらかが相場の急変などで大きく触れてしまえば、それだけで指標が歪んでしまいます。そしてテクニカルのダマシというのはこうした指標の歪みを利用して行われます。これは一目均衡表がダメとかという話ではなく、テクニカル指標はある理屈に基づいて計算式が組まれていますので、その前提を理解して使用する必要がありますが、その前提が複雑であればあるほど前提を理解しにくくなり、その指標を利用したダマシに引っかかりやすくなってしまうということです。その点、出来高は単純であり、操作するには実際に株式を大量に売買する必要があるので非常にダマシにくい指標であると言えます。

出来高は大口投資家の痕跡

唐突ですが株式市場の相場って誰が動かしてると思いますか?言い方を変えれば上昇相場を演じるとき、誰が買い上げて株価を上昇させているのでしょうか?

答えは大口と呼ばれる機関投資家やヘッジファンド、仕手と呼ばれる資金力のある投資家集団です。日本取引所グループより1週間に1回、投資部門別売買状況というデータが発表されています。これによると例えば東証一部市場の2020年12月の第2週は個人による売買が約19%強、海外機関投資家による売買が約69%、日本の法人による売買が約11%、証券会社による売買が約1%となっております。実に80%もの取引が大口によって行われていることになります。

 

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出典:日本取引所グループ 投資部門別売買状況

出来高は相場に影響を与えるこれら大口投資家の動きがかなりの割合、反映されることになります。

大口は相場を支配できるほど豊富な資金を持っていますが、弱点があります。それは資金が豊富過ぎることです。その資金量故にデイトレードやスイングトレードのような短期トレードをしようとすると簡単にストップ高やストップ安になってしまいます。だから上昇相場を演じて徐々に値を吊り上げながら、利確をしていきます。逆に言うと大口が利益を出そうと思ったら、相場を作るしかありません。その目印となるのが極端な出来高の増大です。これは恣意的にしろ、そうでないにしろ大口がその銘柄に潜んでいる証左に他なりません。

だから出来高増大の後にはそちらの方向に相場が向かっていきやすいですし、私たちはその出来高をマイルストーンにしていくことで、相場の転換を察知したり、上昇相場に乗りやすくなります。

まとめ

以上が出来高の基本的な解説となります。

まとめは以下の通りです。

出来高のまとめ

・出来高は相場の方向性を示す

・主要な投資手法のデメリットを補う

・出来高は大口の動きそのもの

まずは上昇相場を演じた銘柄のチャートに出来高を表示してみてください。この記事で説明したことが感覚的に理解できるかと思います。

ここまでご覧いただきありがとうございました。